エトレ第172回句会会報 2025・9・28
① 雨量増してきた中止の放送鳴りだした 郁也
② 欠けてゆく月を星が飾る 啓司
望埜・酔魚・〇歌也子
・淋しい感じがするが絵がみえて和んだ感じ。・美しい。
③ 顕信さんを読めない夜が再び 和宏
楽遊原・かえい・架京・麻由可
・「夜が再び」が深い。作者の不安感が出ている。
④ 旅人としてごはんきれいに食べた けんじ
啓司・和宏・望埜・酔魚・麻由可・立日十・歌也子
・旅先での思いやりの心が感じられる。・「旅人として」がきになった。もしかしたら「今生の」旅人か。
⑤ 分かって欲しい触覚が触れる 楽遊原
貴子・立日十
⑥ 肌ヒリリ地球はもっと満身創痍 ちか
克彦・
⑦ 昼月 ノンアルコールなふたりです 楽遊原
望埜・酔魚・
⑧ 言葉無く姿無く父亡くし 柳扇
ちか・
⑨ 男断つと書かれた絵馬 晩夏の社 人美
ちか・
⑩ 運動会がない夜の虫だけが鳴いている 郁也
柳扇・克彦・歌也子
⑪ 雷雨で見送り天神さん 和宏
⑫ 高い木の上からツクツクボウシ夏の終わりを知らせる 啓司
⑬ ゲバラのシャツ着た子が泣いたはる けんじ
楽遊原・かえい・
⑭ 闇をすり抜けていく青年はペダル 貴子
麻由可・
⑮ 母がまた少し遠くへ行った気がする祥月命日 ゆき
貴子・かえい・
⑯ 蟷螂の足に昨日の影ついてくる かえい
麻由可
⑰ 炎天下に夕立土のにおい 克彦
啓司・酔魚・
⑱ 一軒挟んでリコーダーの音とすれ違う 圭一
啓司・立日十・柳扇
⑲ 丸亀うどんの向うに満月 古戸信
歌也子・克彦
⑳ 短いズボンから膝が出て息をしている 望埜
啓司・楽遊原・立日十
・「息をしている」が上手い。
㉑ 草鞋辿って昔日を想う 柳扇
・「草履辿って」が防府の山頭火の道を知らないとわかりにくい。
㉒ 家で呑んでることも平和な一日 酔魚
柳扇・麻由可・歌也子・望埜
㉓ 晩夏を渡り切って軋んでいる 貴子
かえい・
㉔ 病葉いとおし枝先で風に揺れていた記憶など ゆき
柳扇・かえい・
㉕ 逝きつつある被爆者の大叔母といる 古戸信
㉖ 冷凍庫に月をしまって春まで置く 望埜
貴子・
㉗ ビールごときに酔う僕にチロロ鳴く 人美
啓司・貴子・酔魚
㉘ 歴史を語る令和の玉虫 かえい
克彦・麻由可
㉙ 指舐めてめくったページに指紋 克彦
㉚ 夕凪いでトンボの影滑っていく 圭一
啓司・柳扇
㉛ 暗緑色の入り口がいつもある 麻由可
ちか・和宏・立日十
㉜ 夢に出て欲しくて深酒の夜 酔魚
かえい・克彦・望埜
㉝ さっき水撒いた土の白い ちか
㉞ 挫折という文字のばらけた虹 架京
楽遊原・和宏・
㉟ リビングの灯り安らぎにして来生たかお 歌也子
㊱ 男三人まず藤棚で雨宿り 立日十
啓司・酔魚
㊲ テイクアウトの真夏ふたつ逢いにゆく 麻由可
ちか・貴子
㊳ 鬼ヤンマぬっと睨んで引き返す 立日十
克彦・架京・
㊴ アブを仕留めた雨はまだやんでない 架京
㊵ 新しい糠足してキャベツ大根人参生姜 歌也子
克彦・
灼熱の真夏に較べれば涼しい気候となりました。当日は欠席の方が多くて出席者は、克彦、楽遊原、かえい、ちか、柳扇、貴子の6名でしたが、克彦さんの司会のもとで時間たっぷりと句会を行いしました。
句評の書き込みが少ないのですが、共感的内容が多かったので省略させていただきました。今回は三田市より柳扇さんがお越しになり、美味しいお土産までいただき、句評も興味深く聞かせていただきました。
各句の選者の名前を入力して確認したところ、複数の間違いがありましたので、三度四度確認しております。句会での披講時と若干違っておりますのでご了解ください。また、12番の啓司さんの御句の末尾「る」が抜けておりまして、遠方の選者には抜けたままお送りしてしまいました。大変失礼致しました。
次回は、十一月です。今年最後の句会になります。ご投句、ご出席のほどお願い致します。