第171回 エトレ句会 句会報 2025・7・27
① 文月偲ぶ人ありて手を合わす 酔魚
② 山道ではあいさつします 和宏
③ 毛布手放せないまま夏の夜となる 古戸信
④ 猫が逃げてすぐ引き返した熱い道 望埜(もや)
圭一・かえい・立日十・ちか
・今年はかほどに暑い。
⑤ 煙草一本の差で夕立に降られてる帰路 圭一
・最近の夕立は嘗ての降り方ではなく滝のよう。
⑥ 我が怠惰死をもって教えしメダカよ 和宏
立日十
⑦ 粗大ゴミの椅子にちょっと座ってみる けんじ
酔魚・和宏・望埜・ゆき・克彦・麻由可・歌也子・ちか
・使えるものも捨てられる最近の粗大ゴミの事情。・使い慣れたであろう椅子に惹かれる気持ち。
⑧ 夜更けの街灯に浮遊する虫ケラとワタシ ゆき
⑨ 山伏が缶ビール煽る近鉄特急指定席 人美
酔魚・和宏・貴子・ちか
・今どきの山伏は贅沢。
⑩ 今日のしめはかけそば 天かす入れ放題 克彦
柳扇・貴子
・入れ放題に浮かれる気持ち。
⑩ 炎天を指して遮断器が上がる 啓司
〇和宏・古戸信・圭一・歌也子
・何度も見ている眺めが描かれている。
⑫ 雨がためらわす捨てられない手紙束ねる 架京
ゆき・かえい
⑬ 明日蝶になるの高圧鉄塔 かえい
ゆき・〇啓司・麻由可・貴子
・印象深い表現。
⑭ そっぽを向かれたような向日葵の花の後ろ 啓司
克彦・架京・かえい
⑮ 砂糖のある家なんでも小匙で計る母 楽遊原
ゆき
・食事制限か。
⑯ まき水ぺろりと苔剥がし散る 郁也
・水の勢いが強かったのか。「散る」までいるのか。
⑰ 夏薔薇ちがう故郷を持つ人と 麻由可
古戸信・啓司・架京・貴子
・「ちがう故郷」の意味が深い。
⑱ 蛍を産んだ女の闇 楽遊原
立日十
・「蛍」ははかなく散った命か。・「女の闇」とは。
⑲ イタチだったような夕暮れを振り返る 古戸信
啓司・架京・麻由可・立日十
・経験あり。
⑳ 耳から少し離して愛をきく炎昼 貴子
ゆき
㉑ リネン滴るべし大穴の向日葵 煙陽
・布地にプリントされたヒマワリか。前半がわかりにくい。
㉒ 年老いた体に残る幼さよ 柳扇(りゅうせん)
㉓ 五階の友の出来立てあんぱんと笑顔 歌也子
㉔ 現実全部捨ててきたホテルのシーツのにおい 一音
酔魚・望埜・圭一・啓司
・家出か現実逃避か。
㉕ 入道雲の奥を射抜いて銀の槍 立日十
克彦・かえい
㉖ 古傷のいたみ撫でている梅雨寒 ゆき
㉗ 暴力的な白さの雲を見送る 圭一
酔魚・立日十
㉘ つまらないプライドをしまいレモンを買う 麻由可
望埜・啓司・架京
㉙ 空地ごと草絨毯に背を越された朝 ちか
㉚ 黄色い歓声にわたしの鼓動まざっている 望埜(もや)
啓司・立日十・貴子
・「鼓動がまざる」が上手い。
㉛ 昼の漁港眠る干し網 路地の屋根 克彦
かえい
・いかにも漁村の風景。
㉜ くったりと六月の新しいパジャマ 一音
㉝ 勝っても負けても応援六十年のホームラン 歌也子
・どこの球団かな。
㉞ 開かないと決めたらしい蕾解剖してみる ちか
古戸信・圭一・克彦・〇歌也子
・擬人法が効果的。・一生懸命育てている人の句だ。
㉟ すばらしく枝豆の香る新月 煙陽
古戸信
・うまそう。
㊱ 畳屋に畳屋の匂いして旧街道 貴子
酔魚・克彦・歌也子
㊲ 令和七年七月七日いつものいちにち 酔魚
架京・柳扇・貴子
・ゾロ目でも淡々と過ぎていく日々。
㊳ 蝸牛ジャングルジムに住み着いていつも雨 人美
啓司
・暑くないか。何を食べているのか。
㊴ 空青くなるほどに暑さ増す 柳扇(りゅうせん)
㊵ 身投げのように靴揃えている潮干狩り けんじ
和宏・古戸信・圭一・克彦
・実際にあった身投げの話に焦点。
㊶ 波打ち際の足がそろりと透ける黄昏 立日十
かえい・麻由可・ゆき
・美しい表現に惹かれた。
㊷ なにかありそうでのぞく紙袋の底 架京
克彦・柳扇・歌也子
・期待感に共感。
㊸ 田舎の夜に主演するヤモリ一匹 郁也
ちか
㊹ 矢鱈に落ちてる白マスク梅雨は逝った かえい
暑い日が続いております。炎天下、句会の会場まで来ていただきました七名の皆様(克彦・圭一・ちか・かえい・酔魚・ゆき・貴子)疲れ様でした。今回は高点句が少なくて点数が割れました。克彦さんの司会で全ての句を鑑賞しました。
私が夏バテ気味なので、句評は簡潔に書かせていただきましたが、句会は五時ぎりぎりまで活発な発言が続きました。いただいた句評は全て読ませていただいています。ありがとうございました。
この酷暑をのりきっていただき、九月句会のご参加よろしくお願いいたします。 小山